【登山小説】新田次郎 富士山頂

 こんにちは。新田次郎氏作の富士山頂は、登山小説という面よりビジネスの世界を小説にした感が強かったです。内容は、富士山の気象レーダーを設置するため官民連合して富士山頂に気象レーダー装置設置した話です。この本のポイントは、作者 新田次郎氏自体が富士山の気象レーダーを設置に携わっており、主人公自体が新田次郎を連想させる人物である点です。

1.小説 富士山頂の概要

 冒頭で述べた通り,この富士山頂は、富士山の山頂に気象レーダーを設置する物語。日本の気象の正確な把握や台風の発生を早期に発見するためには.高所にレーダーを設置し、日本中の空を監視できるようにする必要がある。この高所に設置するレーダーは、日本一高い富士山が一番良いということで富士山山頂に気象レーダーを設置することになった。

 この富士山山頂の気象レーダー設置を行う中心人物が主人公である 気象庁の葛木 氏。この 葛木 氏は、公務員という顔と小説家という顔を持つ。このあたりが作者である新田次郎氏と同一の箇所である。実際、新田次郎氏も気象庁の職員としてこのレーダ設置工事に携わっており、小説家の顔も持っている。

 富士山山頂の気象レーダーが設置されるまでは、北米にある2000メートルクラスの場所に設置されているレーダーが世界で一番高い場所にあるレーダーだった。つまり、富士山の山頂である3700メートルへの気象レーダー設置は、世界記録であり,世界記録を1000メートル以上上回る大事業だったのだ。

 小説 富士山頂は、以下の三部構成となっている。

 1部・・レーダー設置の予算確保から建築業者の選定まで

 2部・・レーダーの設置工事

 3部・・設置したレーダーと台風の戦い

 一言で書くとサラッとしているが、内容は濃密。すべての工程において一波乱いや二波乱あります。詳細はネタバレになるため記載しない。

 物語は,レーダー設置を見届けた 主人公:葛木 氏がある人生の決断をして締めくくられる。

2.現在の富士山 気象レーダー

 余談となるが,現在の富士山の気象レーダーについて触れたい。 

 この小説の通り実際に富士山の気象レーダーは感想して、30数年にわたり日本の気象予報を支えた。しかし、科学の発展に伴い不要となり1999年。丁度20年前にその役目を終えた。現在は、富士山から降ろされふもとにある富士山レーダードーム館に設置されている。

 なお、レーダー自体は外されているが、気象観測所の建物自体は、富士山頂 剣峰に健在。現在は研究施設として利用されているようである。以下の写真は現在の剣峰と気象観測所。

3.感想

 この小説は、登山小説ではなくビジネス小説である。作者が実際に体験したことがベースなだけあり、非常に生々しい描写がある。

 建設行為だけではなく、予算の確保や業者の選定に一部を裂いたのは、作者が実際に体験したことだからかと思う。ほかの人が書いたらもっとサラッと行くところが非常に生生しく書いてあるのである。非常な緊迫感を感じる内容だった。

 登山小説という面では、やはり新田次郎氏である。登山の準備、富士山山頂の描写は素晴らしい。これも実際に登山経験した人物でかけないと描写が多いのである。富士山の怖さも非常に伝わってくる。

 結論何を言いたいかというと、当事者が書いた小説だけあり、非常に素晴らしいできの小説となっているのである。正直、富士山の気象レーダー設置小説を書こうとしてもこれ以上に生々しい書き方は余人にはできないと思う。こういった面で登山好き以外にもぜひ読んでもらいものである。