Mountain-Times~うどんと登山日記~

猫(名称:うどん 種類:アメリカンカール)との日記と登山の記録です。

孤高の人




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こんばんは

新田次郎の「孤高の人」を読みました。登山小説の中でも名作中の名作です。

  

 

 この小説は,実在した登山家 加藤文太郎氏をモデルにしたものです。加藤文太郎氏とその家族以外の名前は,偽名といいますか実在の名前から少し変更されています。どうも加藤文太郎氏の奥様の希望により主人公である加藤文太郎氏とその家族のみ実名になったようです。作者の新田次郎氏は,山岳小説が有名ですが,晩年には武田信玄など歴史小説を書いています。気象台に勤めていたこともあり気候の描写はピカイチです。

 

 加藤文太郎氏は,大正期~昭和初期に活躍した登山家で単独行の加藤とか不死身の加藤とか異名のある登山家です。基本的に単独での登山を好み冬の北アルプスや立山も単独で登山をしています。

 

 小説の孤高の人では,登山家としての面はもちろん人間としての加藤文太郎像も書かれています。そのため,単純な登山小説ではなく,立派な時代小説のような風なたちで読めます。大正期の人がどんな暮らしをしていたのかもわかり興味深い本となっています。大将時代の神戸が目に浮かぶようです。

 

 この小説を読んで興味を持ったのは,行動食としての甘納豆です。加藤文太郎氏は,実際に甘納豆を行動職として雪山登山を遂行しています。行動食として甘納豆を考えたことはありませんが,今度,試してみようと思います。少しずつ食べれて良いきがしました。今のようにカロリーメイトやゼリーやら行動食にバリエーションのない時代の工夫した行動食です。

 

 またこの小説でびっくりしたのが,大正期でもガイド付きとはいえ雪山登山を普通にしていることです。現代の装備でも雪山の寒さに勝つことは難しいものです。それなのに戦前の装備で雪山の登ってしまう。これはすごいと思いました。ハードシェルなんてないでしょうし,靴の保温だって知れたものでしょう。それでも登りたくなるのが山なのか。。。

 

 加藤文太郎氏は,自身で本で書いております。これが単独行という本として現在でも販売されています。こちらの本は,加藤文太郎氏の登山日記+加藤文太郎氏の周りに人により解説もあり,未亡人となった加藤文太郎氏の奥様の手記もあり,小説とは違った形で読みごたえがあります。個人的には孤高の人を読了後に読むと良いかなと思っています。

 ちなみに加藤文太郎氏モデルに小説は,孤高の人以外に「単独行者 アラインゲンガー 新・加藤文太郎伝 」というものがあります。こちらは純粋の登山家としての加藤文太郎氏をおった小説となっています。

 さらに余談ですが,漫画の孤高の人と小説の孤高の人は,別物です。舞台が大正(小説) ⇒ 平成(漫画)と違ったり,加藤氏の像も全然違います。ただ原案だけあり断片的に小説の孤高の人要素が出てきます。これはこれで面白いので登山漫画好きでしたら読んでみるのもよいと思います。